11月08日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 墨田区の行財政改革について、山本区長にお伺いします。
 墨田区の財政状況を改善するためには、行政改革を進めていくことが重要です。すみだ北斎美術館もできました。これから陸上競技場や保健所をつくるわけですから、箱物の維持管理だけでも相当のお金がかかります。また、高齢者はどんどん増えています。認知症の患者も増えていきます。また、山本区長のリーダーシップで新しい事業も増えています。幾らお金があっても足りない状態は続くと思います。
 そこで、今、私が心配しているのは、職員が増えることです。以前、行財政改革特別委員会でも質問しました。墨田区の方針として、事業が拡大しているので、職員の削減はしないという答弁でした。人が必要なことは理解できます。しかし、職員を雇うと、定年まで雇わないといけません。したがって、正規の職員は増やすべきではないと思います。また、その必要もないと思います。その代わり、外部の専門のコンサルタントを雇うこともできます。また、今は多様な働き方が広がっています。終身雇用制ではない期限付きで職員を雇うこともできます。また、業務を外部に委託することも可能です。職員数について、区長はどのようにお考えでしょうか。

 

 

◎区長(山本亨君) 
 職員定数は、これまで行財政改革実施計画に基づいて、この5年間で104人の目標を達成して、11年間で308人の職員を削減したという状況にあります。
 一方で、墨田区の人口は増加をし、これからは子育て支援であったり、東京都の権限移譲であったり、東京オリンピック・パラリンピックの開催であったり、児童相談所の移管など、これまで以上に行政需要が大変増えてくるということも予測されています。
 今、ご指摘があったとおりの状況ではありますが、これまで以上に引き続き行財政改革に積極的に取り組むことはもちろんですけれども、事務事業の見直し、そうしたご指摘もありました。民間活力の活用なども図りながら、効率的、効果的な行政運営を推進していきたいと思います。
 また、期限の定めのない正規職員の採用についてということだけではなくて、職務内容に応じたさまざまな任用形態を考えていく必要はあると思っています。今年度から、イクボス宣言により、事務職等に拡大した任期付育児休業代替職員を採用したのをはじめ、来年度から東京オリンピック・パラリンピック大会に対応するために、任期付職員を採用する予定です。
 いずれにしても、中長期的な視野で職員の採用計画というものをしっかり立てて、そしてさまざまな方策を検討しながら、職員体制を整えていきたいと考えています。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、職員研修についてお伺いします。
 墨田区の職員の20%は20歳代です。若い職員の研修を充実していただきたいと思います。
 また、女性の幹部職員を育てることが大変大事です。そのためには、女性職員のリーダーシップ研修が大事です。今は民間の会社がいろいろな女性のリーダーシップ研修を提供しています。20代、30代の有望な女性職員のリーダーシップ研修を充実していただきたいと思います。
 そこで伺いますが、昨年度にリーダーシップ研修を受けた女性職員は何人いるのでしょうか。
 また、職員の外国語や手話の能力を向上させることは、墨田区にとって大変大事だと思います。英語などの外国語には検定試験があります。また手話の検定試験もあります。まず、墨田区として、このような資格を持っている職員を登録していただきたいと思います。
 また、是非検定試験を受けることを進めていただきたい。そして、英検や手話の1級にパスした職員には、山本区長から表彰状をあげていただきたいと思います。きっと職員は頑張って勉強すると思います。墨田区は職員研修を熱心にやっていると言われるようにしていただきたい、また予算も増やしていただきたいと思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。

 

 

◎職員課長(宮本知幸君) 
 女性職員のリーダーシップ研修の受講者ですけれども、一昨年から始まりまして、昨年は13名でございました。受講者の感想は、大変有意義であったと好評でしたけれども、参加者が少なかったことから、今後は、イクボス宣言を踏まえまして、対象者を女性に限定せずに、全庁的な課題として捉えて、さらに周知を図ってまいりたいと考えてございます。

 

 

◎区長(山本亨君) 
 職員の外国語や手話の能力向上のため、検定試験の勧奨や表彰状を贈ったらどうかということですが、款別質疑のときにもご質問いただきまして、外国語や手話の検定試験取得者の人数というのは、残念ながら把握をしてはいませんが、通訳の登録制度を活用し、職員の中の人材活用というものを図っております。
 職員の外国語や手話の能力向上は、委員ご指摘のとおり、大変重要だと考えておりまして、今年度から資格取得の奨励や語学系専門学校受講料助成など、支援をするための予算を大幅に増額しています。
 もう一つは、人数を把握することも必要であると思いますが、公費で一部負担するわけですから、資格取得者が例えば2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、職務に、本人の仕事にどうそれを生かしていくか、実践をしてもらうことがこの制度で最も重要だと思っています。
 もう一つは、表彰状のご提案ですが、私が職員を表彰するというのは、できれば区民への直接的な貢献があった職員、特にすぐれた研究をした人というものに対して行うべきとも考えておりまして、頑張っている職員に「ご苦労さん」「頑張っているね」と声をかけることが私の役目でありまして、表彰状をお出しするということはまだ考えていないんですけれども、「ご苦労さん」という言葉をしっかりかけていきたいと思っています。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、大学誘致について山本区長にお伺いします。
 大学が墨田区に来れば大変うれしいことです。そして、私が最も期待するのは、大学の先生や学生との協力についてです。墨田区が抱えるさまざまな課題は、子育てや高齢者の介護と予防活動、中小企業のものづくり、国際観光都市などがあります。どのような学部と専門の先生が来るのかまだ分かりませんが、大学の先生、研究者、学生、墨田区役所が区民と一緒になってそれぞれの専門分野において墨田区の課題の解決に貢献してくれることが大事です。区役所、区民と大学との協働が大事です。
 立花地域を多少活性化するくらいでは、大学を誘致する意味はあまりないと思います。板橋区にある大学は、コミュニティラジオを設立して、学生と住民が一緒になって地域のためにラジオ番組をつくっています。また、コミュニティカフェも開いて地域住民と交流しています。また、学生食堂を地域住民に開放して、高齢者に大変役に立っている大学もあります。
 大学を誘致したらそれでおしまいではなく、誘致したときからが本当に大事だと思いますが、山本区長はどのようにお考えでしょうかお伺いします。

 

 

◎区長(山本亨君) 
 井上委員のご指摘のとおりでありまして、私が誘致する大学に期待することは、教員や学生、研究成果や施設など、ハード、ソフトの資源を墨田区が抱える課題解決に活用していただくことが大変重要でありまして、そういう中で、区民や行政と一緒になって協働を図っていくということが大事であると思っています。
 具体的には、学生と墨田区の交流、それから児童・生徒の教育力の向上というものにも結び付けていかなければいけませんし、公開講座などをやっていただいて、私どもの生涯学習とコラボレーションしていただく、そうしたものの推進や区内中小企業との連携による産業振興や人材育成といったものにも生かしていかなければいけないし、例えば先ほど来話があった地域防災力向上、こうしたものにも学生さんと協力できるのかなとも思っています。
 どちらにしても、今、協議を進めていく中で、進出していただける大学の学部の特色をしっかりと生かして、私どもも地域貢献をしていただきたいということをしっかりと申し伝えて、その中で、大学誘致が墨田区にとって区の活性化につながるものにしていくということを一生懸命頑張ってまいります。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、防災対策についてお伺いします。
 先日、鐘ケ淵駅の周辺を歩きましたが、地震のときにはブロック塀が大変危険だと思いました。熊本地震でもブロック塀が倒れて、29歳の男性が下敷きになって亡くなりました。また、ブロック塀があると、その道を避難経路として使えなくなります。日ごろから、ブロック塀のある道は、地震のときは通れないと理解しておく必要があります。
 平成12年に建築基準法施行令で耐震強化がとられました。しかし、それ以前のブロック塀は大変危険な状態にあります。墨田区として、ブロック塀の耐震診断をするなど対策をとる必要があると思いますが、現在何か対策をとっていますか、お伺いします。
 例えば、ブロック塀が避難経路にある場合には、補助金を出して直してもらうことも考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。ご見解をお伺いします。また、避難経路についてですが、現在どのように指導していますか、お伺いします。

 

 

◎都市計画部長(直井亨君) 
 ブロック塀につきましては、平成12年以前より、ブロック塀に鉄筋を入れるなどの基準が定められておりましたけれども、単純な構造が災いいたしまして、ブロック塀についての正しい知識がなくても容易につくられてきたという経緯がございまして、不適切なブロックもでき、その結果、地震時に倒れるようなブロックができてきたというところがございます。
 不適切なブロック塀ですけれども、見た目には基準を守った塀と判別が困難であるという問題があると考えております。区では、ブロック塀につきまして、耐震診断助成制度はございませんけれども、沿道緑化助成の中で、既存ブロック塀の撤去助成をさせていただいています。
 また、ブロック塀対策といたしましては、この助成制度を活用していただくことや、今後、各耐震化助成制度のPRや建築防災週間並びに建築確認申請などの機会を捉えまして、ブロック塀の倒壊による危険性の対策の必要性について啓発に努めてまいりたいと考えています。

 

 

◎危機管理担当部長(酒井敏春君) 
 避難経路につきましては、災害時、ブロック塀に限らず、ガラスが落ちてきたりとか、瓦が落ちてきたりするようなさまざまな危険がございます。そういった障害が起こることが想定されます。この点については、地域の町会での避難訓練等で避難誘導訓練等を実施しております。その際は、可能な限り安全を確保しながら、避難経路を選択して避難所等に到達してほしいということで、さまざまな場面を通じて啓発しています。
 今後もさまざまな避難訓練等々を通じて、避難経路の確保について、どういった安全対策を講じて避難していくかということについて啓発を継続していきたいと考えています。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、洪水の場合の避難場所ですが、荒川の氾濫の場合の避難場所は学校になっています。ハザードマップにも学校にマークがついています。しかし、学校以外にも児童館などの公的施設や民間のビルやマンションも3階以上の建物であれば避難場所として使用できると思います。
 ただ、マンションの場合は、災害の場合には外部の住民は入れないというマンションもあるようです。民間のビルやマンションは、前もって水害の場合には避難場所として使用するということを協議しておく必要があると思いますが、どのように考えますか、お伺いします。
 例えば、避難場所になるビルには、洪水指定避難場所というステッカーを貼るようにしてはどうでしょうか、お伺いします。

 

 

◎危機管理担当部長(酒井敏春君) 
 洪水時の避難場所の確保について、今年度、防災危機管理担当の予算におきまして、水害時に避難場所を確保していただける民間のマンションなどにつきまして、一定の防災用品を提供することで協定を結んでいただくような取組を現在しております。今後も一つでも多くの民間のマンションにこういった協定を結んでいただけるよう努力をしてまいりたいと考えています。
 また、ビルにつきましても、これまでさまざまな事業者の方と協議を重ねてきておりまして、一定数の民間のビルのオーナーと協定を結んで、洪水時の一時避難場所について、協定等を結んでいるという状況です。これも引き続き一つでも多くの避難場所を確保できるようにしていきたと考えています。
 なお、ビルやマンションにステッカーを貼って、分かりやすいようにということがございます。これまで事業者にもそういったお話もさせていただいているところですが、権利といったところもあり、なかなかそういったところまではいかない状況がございますけれども、今後協定等を結んでいく際に、少しでも事業者の皆様あるいはマンションオーナーの皆様にご協力を仰ぐという形で対応していきたいと考えています。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、2025年問題と高齢者の介護予防についてお伺いします。
 2025年には、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢者社会がやってきます。墨田区の高齢者計画によれば、要介護者は3,000人を超えます。そのうち60%は認知症の高齢者です。
 この問題に対応するには、介護予防活動しか方法はありません。墨田区の介護予防サポーターは大変すばらしいと思います。受託の公開講座には150人の参加があり、区民の関心は大変高いと思います。山本区長が出ているビデオも拝見しましたが、区長のリーダーシップには大変感謝いたします。介護予防については、これからもたくさんのサポーターを養成して、予防活動を区民に広げてもらいたいと思います。
 墨田区基本計画では、私からもお願いして、介護予防事業の達成目標を高齢者の30%にしていただきました。この予防活動の達成目標をどうやって達成するおつもりか、その戦略についてお伺いします。また、毎年何人の介護予防サポーターを養成する必要があるのかお伺いします。

 

 

◎福祉保健部長(青木剛君) 
 目標達成に向けた方策についてですが、区が行う介護予防24事業で、年間1万5,000人の参加をいただいているところです。また、区の元気高齢者事業として、区内の三つの施設で、それぞれ年間数万人ずつのご利用をいただいております。こうした中で、今後5年間にさらに新規利用者を増やして目標を達成してまいります。
 次に、介護予防サポーターにつきましては、現在60人のサポーターがおりますが、今後5年間でさらに30名を増やし、90人の体制を目指してまいります。

 

 

○委員長(中沢えみり君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。